自分史の書き方:人生を一冊の本にするまでの手順
Novelleo編集部 · 更新 · 12 分で読めます
結論
自分史は、まず「誰に何を残したいか」を決め、年表で人生の出来事を洗い出し、書きたい場面を選んで章立てし、1章ずつ場面から書いていくのが近道です。すべてを網羅しようとせず、読み手に伝えたい出来事に絞ると最後まで書き切れます。書き終えたら推敲し、冊子やPDFにまとめます。
自分史とは?就活の「自分史」とは何が違う?
自分史とは、自分の人生を自分の言葉で書き残した記録のことです。有名人の自伝とは違い、ふつうの人の暮らしや、その時代の空気をそのまま残せるところに価値があります。この言葉は、歴史家の色川大吉が1975年に出した『ある昭和史 自分史の試み』(中央公論社)をきっかけに、広く知られるようになりました。
一方、就職活動で言う「自分史」は、自己分析のために過去の経験を年表に書き出すワークシートを指します。目的は面接や自己PRの材料を見つけることで、本にすることは想定していません。
このページで扱うのは、人生を一冊の本として家族や未来の自分に残す自分史です。ただ、出来事を年表に書き出す作業はどちらにも共通しているので、就活のために調べている方にも役立つ年表の作り方を、3つ目の見出しでまとめています。
書きはじめる前に、何を決めておけばいい?
最初に決めたいのは「誰に読んでほしいか」です。子や孫に家族の歴史を伝えたいのか、同じ仕事をめざす後輩に経験を手渡したいのか、未来の自分のために記録したいのかで、選ぶ出来事も文章の温度も変わります。
次に、人生のどこに光を当てるかというテーマを決めます。生まれてから今までを均等に書こうとすると、どの章も年譜のように薄くなりがちです。「仕事ひとすじの40年」「転勤で暮らした七つの町」「病気と付き合ってきた日々」のように切り口を一つ決めると、書くべきことがはっきりします。
例えば、町の八百屋を営んできた人なら「店先から見た町の50年」というテーマが考えられます。常連さんの顔ぶれ、野菜の値段、商店街の移り変わりを軸にすれば、家族の話も仕事の話も一本の線でつながります。
読み手が決まると、文体も決めやすくなります。孫に語りかけるなら「です・ます」でやわらかく、記録として残すなら「だ・である」で簡潔に。途中で混ざらないよう、書きはじめる前に決めておきましょう。まとめると、最初に決めておきたいのは次の3つです。
- 読み手:誰に読んでほしいか(子や孫、後輩、未来の自分など)
- テーマ:人生のどこを中心に書くか(仕事、家族、住んだ町など)
- 形:どんな形で残すか(手作りの冊子、印刷した本、PDFなど)
自分史の年表はどう作る?(就活の自己分析にも使えます)
年表は自分史の設計図です。いきなり文章を書くより、先に出来事を一覧にしたほうが、書く順番も、抜けている時期もひと目でわかります。
就活の自己分析に使う場合も、作り方は同じです。できあがった年表に「なぜそうしたのか」「そこで何を得たのか」の2列を足すと、自分が大事にしてきた価値観が見えてきて、志望動機や自己PRの材料になります。気持ちの浮き沈みを折れ線で描く「モチベーショングラフ」を添えるのもよい方法です。
作り方は次の6つの手順です。その下に、架空の人物で書いた記入例を載せています。
- 左端に西暦・和暦・年齢を並べる(生まれた年から今年まで、1年1行)
- 自分の出来事を書き込む(入学、卒業、就職、引っ越し、結婚、転職、病気など)
- 家族の出来事を別の列に書く(きょうだいの誕生、親の仕事、祖父母との別れなど)
- 社会の出来事を並べる(オリンピックや万博、震災など。記憶を呼び起こす手がかりになります)
- そのときの気持ちを一言だけ添える(うれしかった、悔しかった、ほっとした)
- 本に書きたい出来事に◎、迷うものに○をつける
| 年(年齢) | 自分の出来事 | 家族・社会の出来事 | そのときの気持ち |
|---|---|---|---|
| 1964年(6歳) | 小学校に入学 | 東京オリンピック | 近所の人と白黒テレビを囲んだ |
| 1970年(12歳) | 野球部に入る | 大阪で万国博覧会 | 行けなかったのが悔しかった |
| 1980年(22歳) | 家業の八百屋を継ぐ | 父が体調を崩す | 本当は会社員になりたかった |
| 1995年(37歳) | 店を改装する | 阪神・淡路大震災 | 店を続けられるありがたさを思った |
章立てはどう決める?時系列とテーマ別の選び方
年表で◎をつけた出来事を、章に振り分けます。形は大きく二つで、生まれてから今までを順に追う「時系列型」と、仕事・家族・住んだ家のように話題ごとにまとめる「テーマ型」です。
迷ったら時系列型がおすすめです。読み手が迷わず、書き手も思い出しやすいからです。ただ、人生の大半を一つの仕事に注いできた人や、書きたい話題がはっきりしている人は、テーマ型のほうが一章ごとの中身が濃くなります。
章の数は8〜12章くらいにすると、一章あたりの分量が決めやすく、途中で全体を見渡しやすくなります。一つの章には一つの時期か一つのテーマだけを入れ、章のタイトルは「店を継いだ日」のように場面が浮かぶ言葉にしましょう。年代別の年表と12章の目次をそのまま使えるテンプレートは、自分史テンプレートのページで紹介しています。
例えば、転勤をくり返してきた会社員が「転勤で暮らした七つの町」をテーマに書くなら、町ごとに章を立てる形が考えられます。
- 第1章 ふるさとの港町(生まれてから高校卒業まで)
- 第2章 学生時代を過ごした坂の町
- 第3章 社宅の窓から見えた工場の煙突
- 第4章 雪国での三年間
- 第5章 単身赴任と、家族との電話
- 第6章 最後の赴任地で迎えた定年
- 第7章 ふるさとに戻って
自分史は何文字くらい書けばいい?
自分史に決まった長さはありません。数ページの小冊子でも、家族にとってはかけがえのない一冊になります。最初から大きな目標を立てるより、まずは1章を2,000字ほどで書き上げて、自分に合うペースをつかむのがおすすめです。
1日に原稿用紙1枚分(400字)を書けば、4万字にはおよそ100日で届きます。全体の計画を立てたい方は、章の数と1章の文字数から逆算してみてください。
| 章の数 × 1章の文字数 | 合計の文字数 | 原稿用紙の枚数 |
|---|---|---|
| 8章 × 2,000字 | 約1万6,000字 | 約40枚 |
| 10章 × 4,000字 | 約4万字 | 約100枚 |
| 12章 × 5,000字 | 約6万字 | 約150枚 |
書き出しで手が止まったら、どうすればいい?
「私は昭和33年、〇〇県に生まれた」から書きはじめると、2行目で手が止まりがちです。自分史の文章は、説明からではなく場面から書き出すと筆が進みます。生まれた年や家族構成は、場面のあとに一文で添えれば十分です。
書きにくい出来事は、無理に書かなくてかまいません。書くと決めた場合も、起きた事実と、そのとき感じたことを分けて書くと、誰かを責めるような文章になりにくくなります。存命の人の実名や病気、家庭の事情に触れるときは、本人に確認するか、名前を伏せる配慮をしてください。
場面から書くときは、音、におい、手ざわり、交わした言葉、当時の値段や流行っていた歌など、具体的なことを一つずつ足していきます。下に、同じ内容を説明から書き出した例と、場面から書き出した例を並べました。
【説明から書き出した例】 私は昭和33年、〇〇県の小さな町に、八百屋の長男として生まれた。父と母、妹の四人家族だった。 【場面から書き出した例】 店のシャッターを開ける音で、私の一日は始まった。まだ暗い土間には、父が市場から運んできた白菜の青いにおいが立ちこめている。昭和33年生まれの私にとって、それがいちばん古い朝の記憶だ。
途中で書けなくなったら、どう続ければいい?
順番どおりに書く必要はありません。いちばん書きたい章、いちばん鮮明に覚えている場面から書きはじめてかまいません。書きやすい章で勢いがつくと、書きにくい章にも向かいやすくなります。
自分史は何週間、何か月とかかる作業なので、途中で手が止まる時期が来るのは自然なことです。続けるために、次のような工夫を用意しておきましょう。
- 書く時間を決める(朝食のあとの30分、寝る前の20分など)
- 1章を完璧にしてから次へ進まず、全章の下書きを先に終わらせる
- 書けない日は、写真を1枚選び、その写真について3行だけ書く
- 家族の誕生日や法事など、読んでもらう日を締め切りにする
- 書いた章を一つずつ家族に読んでもらい、感想を励みにする
書き終えたら、どうやって本にする?
全章を書き終えたら、数日置いてから読み直します。まず、年号・地名・人名の誤り、同じ話の重複、誰かを傷つける表現がないかを確かめ、それから細かな言い回しに進むと効率的です。声に出して読むと、長すぎる文や言葉の重なりにも気づけます。事実は、家族や当時を知る人に確認してもらうと安心です。
写真、年表、家系図、当時の手紙などを添えると、文章だけでは伝わらない空気が加わります。表紙には名前とタイトルに加えて書き上げた年を入れておくと、何十年後に読む家族にも親切です。本の形には、次のような選択肢があります。
- 家庭のプリンターで印刷し、ホチキスや製本テープでとじる
- ネットの冊子印刷サービスに原稿データを入稿し、少部数を印刷する
- 自費出版の会社に、編集から印刷までを依頼する
- PDFにして、家族にメールや共有フォルダで配る
Novelleoで自分史を書くには?
Novelleoは、本を書くためのアプリです。「自分の物語」を選んでいくつかの質問に答えると、タイトルと4〜20章の章立てが用意されます。あとはAIが章ごとの下書きを一緒に書き、次の章で書き足したい場面を伝えながら進められます。
下書きのすべての行は自分で書き直せ、AIによる書き直しや執筆コーチも使えます。書き上げた自分史はPDFやWordで書き出せるので、印刷サービスに入稿したり、家族に配ったりできます(印刷や製本はアプリでは行いません)。最初のAI章は無料で、iPhoneとAndroidに対応し、日本語で使えます。
よくある質問
- 文章が苦手でも自分史は書けますか?
- 書けます。上手な文章より、そのときの具体的な様子が書かれていることのほうが、家族にとっては価値があります。話すほうが得意なら、思い出を声に出して録音し、文字に起こしてから整える方法もあります。
- 自分史に家族や知人の実名を出してもいいですか?
- 家族の中だけで読む本なら実名でもかまいませんが、存命の人のプライバシーや病気、もめごとに触れる部分は、本人に確認してから載せましょう。広く配る予定があるなら、イニシャルや仮名にするのが無難です。
- 自分史は何歳から書くものですか?
- 年齢の決まりはありません。退職や還暦などの節目に書く人もいれば、30代で子どもに向けて書く人もいます。記憶が新しいうちに書けるぶん、早く始めるほど細部を残せます。
- 自分史と自伝の違いは何ですか?
- 意味は重なりますが、自伝は著名人が広く読まれることを前提に書くもの、自分史はふつうの人が家族や身近な人に向けて書く記録、という使い分けをされることがあります。どちらの呼び方でも、書き方の基本は同じです。
- 就活で作った自分史の年表は使えますか?
- 使えます。出来事の一覧はそのまま土台になります。本にする場合は、自己PRのための「学び」よりも、そのときの場面や気持ちを書き足していくと、読み物としての自分史になります。
自分史を書きはじめる
最初のAI章は無料です。
出典
- 自分史を味わうための読書(3) 自分史の原点|一般社団法人自分史活用推進協議会 (確認日 2026-09-24)
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AIの補助で下書きし、Novelleo編集部が編集しました。
